第104章 彼と私の8月26日 ―夜―
アルコールを含むドリンクも
好きな物を飲む事が出来て。
彼はビールが飲みたかったみたいで、
ナッツやチーズと言った
おつまみに、ちょっとした
甘いものでチョコレートとか
クッキーとかも用意してあって。
ここで食べてもいいし
お部屋にお持ち帰りしても良いらしい。
運ぶためのトレーもあるから、
それに欲しい物をあれこれと
欲張りして取って乗せて。
『じゃあ、部屋…行きましょうか』
と…お部屋はどこだろう?
確か建物の2階と3階が
客室になってる感じだったなって
そんな風に思っていると
エレベーターに彼が乗り込んで。
そのまま1階に降りてしまって。
そのまま外に出て行ってしまう。
「ねぇ、どこに行くの?」
『部屋、あれですよ』
あれと彼が指さしたのは
なんだか…コンクリートが
打ちっぱなしになってる建物に
黒いブロックを横から刺したみたいな
凸凹としたデザインの別棟になった建物で。
中に入ると、真っ赤な階段が
片側だけ壁に埋まってるタイプの
階段が左側にあって、右側には
凄いカウンターの長いキッチン。
キッチン部分は白い床だけど
その先は黒い床になっている部分があって。
お洒落なラタンのソファが置いてある。
そのソファのある部分が
L字になっていて
角を曲がった先にはラウンジスペース。
4人掛けの丸テーブルが2つ、
その向かい側に片側が壁で
一列長いソファがあって
丸テーブルを挟んで
1人掛けのソファが5つ。
そのラウンジスペースの奥には
ラウンジと延長線になるように
同じ木製の床材を使った
テラスに続いていて。
テラスにもテーブルセットがあって
観葉植物が植えられていて
ライトアップされている…
お洒落な空間があるんだけど。
『ここの別棟を丸々
全部自分達で貸し切りにして
結婚式とか出来るらしいですよ?』
ここの1階は宿泊者ラウンジだから
一応共有スペースだけど、
ホテルの建物にドリンクバーと
ちょっとしたスナックがある
さっき私達が行ってこれを
貰って来た宿泊者ラウンジがあるから
ここは…多分わざわざあっちに
泊る人で来る人はいないだろうって。