第5章 狐妖怪の恋の始まり
奈落「桔梗がどうかしたのか?」
あんずの表情は見えなかった、でも照れたような口ぶりで俺には軽口で話して大違いだ。
あんず「き・・・桔梗さんのこと好き?」
奈落「全然好きじゃない、人間の俺は好きみたいだけどな」
あんず「そうなんだ」
足音が近づいてくる、聞き耳を立てても聞こえない。
気配を感じ取ってみた、奈落?
近くにいる。
あんず「あ・・あの私・・殺生丸様が好きなんで!」
奈落「そうかよ」
気配が離れる。
あんずの心の声が聞こえた。
(素直になれない、告白する絶好の機会なのに。 妖怪のままで私を好きになる可能性があるかな? 機会を逃した素直になっておけば)
告白?
まさかあんず奈落のことを?
あいつは悪党だぞ。
利用しようとしてる。
狐妖怪「あんず奈落は悪党だぞ」
あんず「分かってるよ、でも片思いでもいい見ていられるだけでも幸せ」
健気だなぁ。
奈落が死んで、結局人間の奈落は桔梗を好きでいた。
自分が掃除をして、空から見てもらって来世で。
好きになってもらうんだ!
あんずは無理をして言っていた。
お父さんには言っていない、お見合いから逃げていた。
持ちかけられてるのは、最近のこと。