第3章 転校生
〜伏黒恵side〜
あまりの衝撃に固まってしまった。
透き通る白肌、華奢な身体、
不安げに揺れる深紅の瞳、まるでルビーだ、歩く度にサラサラ、ツヤツヤとなびく黒髪、前髪は切りそろえられていてなんとも言えない美しい少女だと思った。
胸が鷲掴みにされる感覚。これが属に言う一目惚れ、と言うやつだろうか…?一目惚れなどした事がないから分からないが…
まるで夜空だ、それか深い青色のアクアリウムと言う印象だ。
『はい、自己紹介してー!』
と言う五条先生の声に我に返る
その子は不安げに口を開き、まるで水が流れる様な声で自己紹介をする
「み、水姫 夏梨です!ふつつか者ですが、よろしくお願いします!」
『たはー!何その自己紹介ウケる笑』
と五条先生に言われた水姫はしょぼんと効果音が見える顔で立っている。
『次、めぐみんね!』
と急かす先生に続けて自己紹介する
「伏黒恵、よろしく…」
水姫は少しびっくりした様な顔をした、大方予想は着くが、どうせ五条先生から俺の話を聞いた時に女の子だとでも思っていたのだろう。
少しすると、なんとも言えない儚い微笑みを浮かべ
「恵くん、今日からよろしくね!」
と言った。
ダメだ、俺は人生で初めて恋と言うものをしてしまったかもしれない。
認めたく無いのでそっぽを向いた。