• テキストサイズ

呪術廻戦〜清澄と呪〜

第8章 哀しい雨


―伏黒恵side―
力なくその場に座り込む夏梨を見つける。

今すぐにでも近くで寄り添ってやりたいが、あいにく、自分にも余裕なんてものは無かった。

ただ、拳を握りしめ、空を眺める。

しばらくすると、ヨロヨロと立ち上がった夏梨が近づいてきた。

そのまま暖かい感覚が全身を包む。抱きしめられている。

そっと自分の胸下辺りにある顔に視線を戻す。

涙でぐちゃぐちゃ。その表情には悲しみと不安、懺悔と後悔。ほんの少しの怒りが滲んでいる気がした。

ぎゅっと抱き締め返す。堪えていた何かが溢れだしそうだったが、泣く訳には行かないと顔を引きしめる。

はだけている夏梨の服装が目に入り、そっと自分の学ランを掛けてあげる。

しばらく2人で悲しみを拭い合うように抱き合っていた。
/ 71ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp