第8章 哀しい雨
―伏黒恵side―
!!!
伏黒「俺は、お前を助けた理由に論理的な思考は持ち合わせていない。
危険だとしても、お前のような善人が死ぬのを見たくなかった。
それなりに迷いはしたが、結局は我儘な感情論。でもそれでいいんだ。
俺は正義の味方(ヒーロー)じゃない。呪術師なんだ。」
今の恵の顔は最大限の優しい表情だった。
伏黒「だからお前を助けた事に1度だって後悔したことは無い。」
心臓を抜かれている状態で、宿儺と代わった虎杖。
伏黒の言葉を聞いて眉を八の字に寄せて儚げに微笑む
虎杖「…そっか、伏黒は頭が良いからな、俺より色々考えてるんだろ。」
いつも通りの顔で頭を片手でポリポリかきながら言う。
虎杖「オマエの真実は正しいと思う。でも俺が間違ってるとも思わん。
あーわりぃそろそろだわ…」
ボタボタと血が落ちる。
虎杖「伏黒も釘崎も夏梨も、五条先生は心配無いか、長生きしろよ…
夏梨の事守…て…やれよ」
トサっと前向きに倒れる。
空を見上げた。涙がこぼれないように。
哀しい哀しい雨だった。