第7章 犠牲
―虎杖悠仁side―
壁にめり込み、もう立てない。
ズルズルと座り込む。
「自惚れてた。俺は強いと思ってた。死に時を選べるくらいには強いと思ってたんだ。でも違った…」
自分の両手を見る。左手は手首から先がなく、右手は指先からボロボロ。
「ア゙ア゙ー!死にたくねぇ!!」
「嫌だ!嫌だ!!」
上を向き、両目を多い涙をこらえる。
「でも死ぬんだ…」
グスン…
正しい死か?じゃねぇ!甘えんな!
この死が正しかったと思えるように!
学長との面談の時に言われた言葉
―呪術師に悔いのない死などない―
なら、今。
憎悪も恐怖も後悔も!全部出し切れ、拳に!!
呪霊の顔目掛けて拳を入れる。
が、
パシッ
っと止められてしまう。
クソッ!
すると、外から
ワァオオオン!
犬の遠吠えが聞こえた。
伏黒の合図!
宿儺と代わるために意識を手放した。