第1章 見守る -牛島若利-
音羽 side
若利と私は高校で出会った
中学3年生にもなって進路先を決めていなかった私は、いつものようにぼーっとテレビを眺めていた
その日は偶然高校バレーの宮城県代表を決める決勝戦が行われていた
他に見たいものがあるわけでもなかったので、なんとなーく見ていた
試合が終わった頃には日が落ちていた
テレビ越しだというのに選手一人一人の熱い思いが伝わってきて、のめり込んでしまっていた
バレーはこんなにもおもしろいのかと初めて知った
この試合では白鳥沢学園という高校が優勝を勝ち取った
そして私は白鳥沢学園に進むことを決めた
そして入学式当日
私は見事に迷子になった
?「白鳥沢の新入生か」
『え、あ、はい』
これが私と若利の最初の会話