第1章 見守る -牛島若利-
音羽 side
あれから、若利への思いは心の奥底にしまって、私もマネージャー業に勤しんだ
若利は中学の頃から実力があり、中3ではキャプテンを務めていたようだが、それは高校に上がるともっとすごくなるもので、1年の頃からレギュラー、2年、3年となればあっという間にキャプテンに就任
県内最強の高校生と呼ばれ、普段の練習にも取材がよく来るような日々
そんな、誰しもが負けると思っていなかった、私たちにとっての最後の県大会
『え…』
天童「さらば…俺の楽園」
白鳥沢学園は県立烏野高校に破れた
状況を理解するのに時間がかかった
だって白鳥沢が、若利が負けるなんて思ってない
瀬見「黒須…」
『…ちょっと、理解できなくて、若利くんが、白鳥沢が負けた…?』
瀬見「…ここに居るやつらは誰も負けるなんて思ってなかったけどよ、」
『…うっ』
瀬見「…くっそ…くっ」
涙が止まらなかった
足に力が入らなくて、その場に座り込んでしまう
監督「…挨拶」
一同「「っはい!」」
一同「「ありがとうございました!」」
私は手が破れてしまうのではないかと思うほど拍手を送った