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蜩(ヒグラシ)の宿─にの江大江戸人情帳─

第1章 純情恋物語編






翔吾「お智ちゃあ~~ん!

うっかりコイツを渡すのを忘れ………Σどぉうわっ!?」



翔吾さんが走りながら懐に手を入れたら、木の陰から浪人風の男が飛び出して来て、翔吾さんを突き飛ばした

派手にすっ転ぶ翔吾さん



お智「Σ翔吾さん!!」


浪人「………智子姫、お捜し致しました」


お智「!!!」


翔吾「さ…智子姫…?」



突き飛ばされた翔吾さんが、もがきながら顔を上げた



浪人「……大人しく、ご同行願います」



浪人風の男が手を翳すと、木の陰から、更に三人四人と、男が出て来た


あたしはお智ちゃんを背中に庇って男たちを睨んだ



にの江「なんだぃ、アンタたちは!」

浪人「姉さん、悪いことは言わない


……大人しく姫をこっちに渡していただこう」


翔吾「ひ…ひひ姫?」



尻餅を付いたまま呆然とする翔吾さん



浪人の1人が腰の物を抜いて翔吾さんに向けた



手下「兄貴、面倒くせぇから、殺っちまいましょうぜ!」


翔吾「Σひぃいーーッ!!(汗)」


お智「止めて下さい!!///」


にの江「お智ちゃん!」



喉に刀を突きつけられた翔吾さんを見て、お智ちゃんがあたしの背中から飛び出した



お智「お願いです!その方を傷つけないで下さいましっ!!///」


浪人「ほぅ?……そうかい、なら」



頭らしき最初に出て来た浪人風の男が、翔吾さんをひっ立たせて後ろ手につるし上げる



翔吾「Σいででででッ(汗)」


お智「Σ翔吾さんっ!!///」


浪人「…この若旦那の命が惜しかったら」



頭の男が、ニヤリと笑う



浪人「大人しく来て頂きましょう


……智子姫様」




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