第4章 禅寺人斬り騒動編
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閂を外して雅吉が玄関の戸を開けると
信吾さんが待ってましたとばかりに家の中に雪崩れ込んで来て
興奮冷めやらぬと言った感じて雅吉の肩をバシバシと叩いた
信吾「雅吉さん、雅吉さんっ!ついに見たんでさぁおいらっ!!もう、そりゃあすんげぇ見物やったでぇっ!!!」
雅吉「だから、何を見たってんだぃ(苦笑)」
雅吉は苦笑いしながらバシバシと肩を叩く信吾さんの手を退けて、玄関先にドカッと腰を下ろした
雅吉「ちゃんと筋道を立てて話してくれゃ
じゃなきゃあ、何のこっちゃさっぱり解らねぇぜ?」
雅吉にそう言われると、信吾さんはペシッと自分の額を叩いてペロッと舌を出した
信吾「いけねぇいけねぇ、おいらつい興奮しちまって……目の前で人が斬られるの見たんが初めてやったもんで…」
にの江「目の前で人が斬られただって!?」
信吾「……お〜…////」
ただ事では無い話に、思わず寝床から玄関先に飛び出すと
そんなあたしを見て信吾さんが目を丸くした
雅吉「…………にの江よぅ(苦笑)」
雅吉は、目を丸めている信吾さんを横目で見てから
ぽりぽりと首筋を掻きながら苦笑いした
雅吉「そーゆー色っぺぇ姿は、俺以外の男にゃあ見せねぇでもらいたいもんだがなぁ(苦笑)」
にの江「え?………!!////」
あたしは、乱れた着物の前を掻き合わせると、バッと寝所に引っ込んだ
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