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蜩(ヒグラシ)の宿─にの江大江戸人情帳─

第3章 養子騒動編


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にの江「こら、雅吉!いくら何でもそんなに笑ったら失礼だろっ!!」



大笑いする亭主をたしなめていたら

若様がにこにこ笑いながら言った



若様「いや、笑うのは良いことある!

どんどん笑うと良いあるよ!

えっと…雅ちゃん!!」

にの江「ま、雅ちゃん…?(汗)」



またもや変な呼び方で人の名を呼ぶ若様


呼ばれた雅吉はと言えば

若様に“雅ちゃん”なんて呼ばれて益々調子に乗って、とんでもない事を言い出した



雅吉「おぅよ!ザックバランに行こうやなぁ?ぽんちゃん!!」

潤之助「ぽ、ぽんちゃんだけは止めて頂きたいっ!!(汗)」



雅吉が若様を“ぽんちゃん”と呼び出したのを聞いて

潤之助さんが慌ててソレを制する


でも、そんな潤之助さんを見て、若様は納得が行かないと言った風に首を傾げた



若様「何でだめあるか、潤ちゃん!」

雅吉「そうあるよ、潤ちゃん!!(笑)」

若様「そうあるよねぇ?雅ちゃん!」

雅吉「そうあるよなぁ?ぽんちゃん!」

潤之助「…ああ…若様の主君たる威厳が…(泣)」

にの江「調子に乗るんじゃないょ、このお馬鹿がっ!!

潤之助さんが困ってるだろっ!!(怒)」

雅吉「何でぇ何でぇ、にの江よぅ!お前、亭主よりも他の男の肩ぁ持つ気かぁ?」

にの江「何を寝ぼけた事ぬかしやがるんだこのスットコドッコイ!!

肩を持つも持たないも無いだろうがっ!!(怒)」

恋太郎「けんかは、なぁいないっ!!」

にの江・雅吉「えっ!?」



わぁわぁと言い争うあたしと雅吉を見て

恋太郎ちゃんが、可愛くほっぺを膨らまして怒り出した



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