• テキストサイズ

風神の神子  【原作沿い マルコ夢】

第2章 航海士ナミ


「……!!」
「死んだか…!?腹巻きの小童…!!」
「おい、ゾロ!!生きてるかァ!!?」
「ルフィ、大丈夫。無事みた……
!」

ララがゾロの安否をルフィに伝えかけた時。

ガラガラ、と崩壊した家の瓦礫が崩れる音がした。

皆、視線をそちらに向ける。

二つの影が視界を捉えた。

神獣化したシャルとゾロだ。

シャルの大きな翼で守られた彼は不機嫌そうに姿を現す。

「あー…
目覚めの悪ィ目覚ましだぜ」
「よかった!生きてたか!!」
「だから言ったでしょ。シャルがいるから大丈夫だって」
「ああ!サンキューな、ララ!!」

ゾロの無事な姿を確認するとルフィは安心したように、笑顔を浮かべる。

せっかく出来た仲間だ。

こんな簡単に死なれては困る。

「………。
なんで生きてんのよ。おかしいでしょ…」
「シャルがいたから」
「理由になってないわよ!」
「………!胸をえぐられるようじゃ…!」
「町長さん…?」
「こんな事が許されてたまるか!!二度も潰されてたまるか!!」

ブードルはグッと胸を押さえながら言った。

一度ならず二度までも、海賊に今、町を潰されそうになっている。

悔しい。

そんな一言では言い表せないだろう。

「突然現れた馬の骨にわしらの四十年を消し飛ばす権利はない!!
町長はわしじゃ!!
わしの許しなく、この町で勝手なマネはさせん!!
いざ勝負!!」

ブードルはその場を離れ、単身で敵陣に乗り込もうとしていた。

無謀すぎる。

死に行くようなものだ。

しかし、ララには止めることが出来ない。

ブードルの思いを踏みにじるようなことは出来なかった。

ただ一人をのぞいては。

「ちょ…ちょっと待って、町長さん!」
「はなせ、娘っ!!」
「あいつらのところへ行って、何ができるのよ!!無謀すぎる!!」

ナミはブードルを必死で引き留めた。

彼女からしたら親切心からやっていることなのだろう。

しかしそれはブードルを傷つける行為となる。

女のナミが理解するのは難しいだろう。

ララが理解出来ているのは男ばかりの環境で育ったせい。

マルコに教わったのだ。

男の闘いというものを。




/ 73ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp