第1章 海賊狩りのゾロ
彼女が船を出たのは二十一の夜。
海軍がララを狙ってモビー・ディック号を襲撃した夜だった。
これ以上彼等に迷惑をかけられてない、と旅立った。
一人で宝珠探しの旅に出る。
マルコに恋焦がれながら。
「——というわけ」
ララはゾロとルフィに宝珠の能力を出生の話と交えて、かいつまんで話した。
ただあまり二人は理解していないよう。
ゾロに至っては話が長かったからか、いびきをかいて眠っている。
「ふーん…
よくわかんねェけど、仲間になってくれるんだな!」
「しばらくはね」
「シッシッシ!」
ルフィは嬉しそうに子供のような笑顔を浮かべた。
おそらく彼も半分以上もララの話を理解していないのだろう。
無邪気なその笑顔がそれを物語っている。
こうして三人の航海が今、始まった。
たくさんの出会いと冒険がこの先に待っている。
ララにとって険しい道になるのかそれはわからない。
だがまだ少し彼等と一緒にいれることに、彼女は内心嬉しく思っていた。
エースの弟、ルフィと一緒にいれることに。