第10章 告白
「え?!」
五人の反応はまちまちだった。
ドズルさんは分かりやすく驚くし、ぼんじゅうるさんはほんとに? と聞いてきた。おんりーさんは明らかに怯え、おらふさんは息を飲んだみたいに黙り込む。メンさんはマジっすか、とさらに言葉を続けた。
「だからあの時、なんか変な方向見てたんすか」
「えっ」
「初めて俺のとこ来た時、変なところ見てるなって思ったんすよ。俺と目が合わないなって」
「あ、それはすみません……」
メンさんのところにいる白蛇の守護霊は、いつも後ろや横にいるのではなく、時々肩や手元にいるからついつい目がそっちに行っていたのかもしれない。と考えていたところにメンさんの手の甲にいる!
「メンさんの守護霊さんが、こ、ここ、に……信じてもらえないかもしれませんが……」
まだ信じてもらえないかもしれないのに、思わず指をさしてしまった私。だって急に手を伸ばしてくるんだもん!
「え」
とメンさんが驚いた時には白蛇は消えた。いつもいるみたいではないみたいだから、余計現れた時にびっくりするのだ。
「僕は? 守護霊どこにおるん?」
初めて会った時から好奇心旺盛だったおらふさんが訊ねてきた。私は丁寧に、残念ながらおらふさんのところにはいないんですと言うと驚きながら、さらに質問を重ねてきた。
「ってことは僕、なんかあったらやばいってこと?」
「あーいや、そういう訳じゃないです」
「え、どういうことなん?」
「そこまで聞くのはやめとこうよ」
これ以上話すのは嫌だなぁと思っていた矢先、おらふさんの袖を引っ張ったのはおんりーさんだった。
助かった、と私は思っておんりーさんを見やると、彼は明らかに青ざめた顔をしていた。そういえばおんりーさんは、唯一ホラーが苦手だったんだっけ。彼には守護霊の……いや、生き霊の取り巻きたちの話はしない方がよさそうだ。