第10章 知らない女の子と五条くん
任務は本当に余裕だった。
また怒られるのはごめんだ…と、やる気を出した五条くんによってパパッと片付いたから。
硝子が「私が同行した意味ある?」ってぼやくくらいには。
「一応寧々が持っててくれ」
回収した呪物を手渡され、壊さないよう瓶の中に詰めた。
ポケットに入るサイズだったので、右のポケットにしまう。
今回は補助監督による送迎も必要のない近場での任務だった為、正午には撤収、解散となった。
「寧々、余った時間で俺とデート「寧々!ランチも兼ねて女子会しない?」
「女子会…?」
硝子は何か言いかけていた五条くんを遮って、最近オープンしたカフェに行こうと提案した。
「いいかもね、ちょうどお昼時だし」
「決まりね!あ、五条、アンタはどうする?帰る?つーか帰んなさい」
邪魔するなとでも言いたげな硝子は、五条くんにしっしっと手を振った。
「はぁ?残念だったな、硝子。寧々は俺と一緒にいたいんだとよ」
「そんなこと言ってないわ。硝子とランチするから五条くんは「お願いだから俺も混ぜて!腹減ったし!飯食いたいし!1人は寂しいし!」
親友の夏油くんは1人で任務を頑張っているだろうに……。