第10章 知らない女の子と五条くん
夏休みも終わり、姉妹校交流会不参加の1年生は任務へと向かった。
私と五条くん、そして硝子。
貴重な反転術式を使える硝子は、滅多に高専から離れる任務に同行しない。
それでも今回は、実戦における術式の使用という名目で私達の任務にサポートとして応援をしてくれた。
1年生の中で夏油くんだけが別の呪霊の討伐任務に当たっている。
なんでも、なまちゃんの術式がピタリとハマる好条件の敵なのだとか。
そんななまちゃんの訓練も併せて、夏油くんは単独行動になったらしい。
「呪物の回収なんて、よく五条くんに任せようと思ったわよね」
「名誉挽回の為にも頑張りなさいよ、クズ」
五条くんが大鯰の髭を壊した話は、夜蛾先生が上層部に掛け合って、半ばもみ消される形で解決した。
大目玉とまでいかなかったのは、夏油くんが呪霊を取り込めたとフォローをしていたから。
それから、あの時捕まえた呪詛師達にそこそこの価値があったから。
処罰の内容については詳しく教えられなかったけど、高専が秘密裏に行方を追っていた奴らだったそう。
「丁寧に扱えばいいんだろ?余裕だ」