第9章 番外編/濡れてないと…
「本当にクズだよね、五条。罰として医務室の片付けしといてよ」
「なんで俺が「私は寧々と寮に戻るから。夏油はどうする?」
体よく面倒事を押し付けてくる硝子と、硝子に促されるまま医務室を出ていく寧々。
「悟、頑張ってね。私は明日の任務の確認でもしてくるよ」
傑は爽やかに俺を置いてけぼりにした。
「あ、あとで寧々ちゃんに飲み物でも買ってあげたらいいんじゃないかな」
「お、おう…」
人たらしらしい助言を付け足して。
寧々、傑、硝子の3対1の構図で俺が勝てたことは一度もない。
呪力や術式での勝負ならまだしも、俺に非があると判断された場合、3人には言い負かされる。
今回もその定例通りのお決まりのパターン、それはもう抗えないし覆しようがない。
だったら俺のするべき事はなにか、医務室の片付けなんて適当に終わらせて…。
この時点で俺のミッションは、寧々に謝罪の品を持っていき、あわよくばイチャつけるんじゃねぇかというところまで飛躍していた。