第8章 違う人と任務
白いイカのイラストとの対比が印象的な商品。
「うーん…」
いつもなら新作には目もくれないで、バター味だけを買い込むのだけど、
なぜかこれはちょっと惹かれる。
イカスミなんて好きでも嫌いでもないけど。
食べたのも…ずっと昔のような気がする。
それでもなぜか手を伸ばしてしまう。
「寧々!これは止めとけよ。絶対マズイから」
「寧々ちゃん、視野を広げるのもいいんじゃないかな。美味しいかもしれないよ」
「バター味を貫け。浮気すんな」
「目移りしたっていいじゃないか」
私が買って私が食べるものなのに、なぜか始まる本日2回目の小競り合い。
「たまには冒険してみようかしら」
そう言って手に取ってカゴに入れると…五条くんは打ちひしがれ、夏油くんは嬉しそうに微笑んだ。
わ、私の買い物よね?
「やっぱり寧々はイカ臭いのが好きなのかよ!?俺のにしと「今日は寧々ちゃんのおかげでなまちゃんを取り込めたんだ。……だから私に払わせてくれないかい?」