第8章 違う人と任務
「クッキーも俺のだろ!?」
そう言えば……1回五条くんにもあげたことがあったわね。
あれは…水族館からの帰りの出来事。
「気に入ったなら自分で買えばいいじゃない」
「寧々にもらうのがミソなんだよ」
「意味分かんないわ。あれはバター味よ」
「そうじゃねぇよ」という五条くんはこの際置いといて、なまちゃんとのお別れは名残惜しいわ。
夏油くんに頼んで、術式を継続してもらおうかとも思ったけど
出ずっぱりではなまちゃんも疲れてしまうだろうし、何よりも…なまちゃんに嫉妬しているらしい五条くんに祓われてしまうかもしれない。
嫉妬に任せて国家を滅ぼそうか、なんて言い出す人だからあり得ない話ではない。
「なまちゃん、またね」
「あぁ、くっきー愉しみにしておるぞ。またいっぱい遊んでおくれ」
夏休み最終日「楽しい思い出」で締めくくれて良かったわ。
「あっ…!クッキー、昨日食べ切ってしまったんだったわ!」
なまちゃんにプレゼントする分が無い…買ってこなくちゃね。
外はまだ明るいし、今のうちに買って保管しておけば大丈夫よね…!
「ちょっと出掛けてくるわね」