第8章 違う人と任務
「落ち着いておくれ。次はダルマさんが転んだをしよう」
「する!」
夏油くんの提案になまちゃんの目はキラキラと輝き、泥水は消え去り地震も収まった。
ついでに…かくれんぼの為に用意した岩や草も撤去してくれた。
泥が付着して汚れてしまった服や靴も、なまちゃんが元通りに綺麗にしてくれた。
「おい、俺の泥も払えよ」
五条くんを除いて。
「いや!」
「こいつ…っ!」
五条くんという悪い人に対して、冷たい態度をとるなまちゃん。
そんななまちゃんをとっ捕まえようと、五条くんは手を伸ばす。
「ぼくにさわらないで!」
なまちゃんはなんだか身に覚えのあるセリフを吐いて、さっと私の後ろに隠れた。
す、スカートの中ではないだけ良かったけど…!
「なまちゃん、意地悪をしないで五条くんも綺麗にしてあげて。彼は心まで汚れてるのよ」
少なくとも…スカートの中を覗き見ようとする雑念は払ってほしいところね。
「そうなの!?…さとるおにいちゃん、かわいそう」
「寧々!それは酷くないっ!?」
大袈裟にショックを受ける五条くんだったけど、心優しいなまちゃんは最終的には五条くんに付いた泥も全部払ってくれた。