第15章 すれ違い
せっかく着せてもらった服を丁寧に脱がされ、あちこちにキスをされる。
傑「すっかり消えてしまったね。温泉のお湯は効能がしっかりあるらしい」
なんて冗談を言いながら、キスマークをつけられる。
あちこちを吸われて、ぴくんっと反応してしまう。
『あっ…傑さん…キスがいいの』
身体ばかりじゃなくて、キスで傑さんを感じたい。
傑「ん?キスしてるじゃないか。」
違うよ。身体じゃなくて、唇に欲しい。
何て言えばいいの?
恥ずかしい…
傑「どこに何をして欲しいか、教えて?」
そう問いかけながら、キスマークをつけるのをやめてくれない。
『…あっあの…んんっ!』
傑「いいよ?風海がしてくれても。」
なんてこと言うの。でも傑さんを感じるには自分で行動するしかない。与えられるばかりじゃなく。
『傑さん、起こして』
身体の力が抜けて自分じゃ起き上がれない。
傑さんは少し笑って“仕方ないなぁ”と言いながら背中を支えて起こしてくれた。
頬に手を添えて、私からキスした。
ただ触れるだけの…
だけど、長いキス。
離れてから恥ずかしくて目を合わせられずに下を向く。
好きな気持ちを込めて。
傑さんに会いたかった気持ちを込めて。
愛おしさが溢れてくる。
傑「君は…」
そこで言葉が止まってしまって、先が気になって顔を上げた。そこには顔を真っ赤にして照れている傑さんがいた。
『…!!』
傑「可愛過ぎるだろ…」
と言いながらキスしてくれた。
ちゅっちゅっと触れるだけのキス。
何度も角度を変えて。
傑「疲れているところ申し訳ないのだけど、今日は止まれそうにない。風海を抱きたい。いい?」
そんな風に確認されたら、頷く以外ないのに。
『…はい』
疲れてはいる。
だけど、傑さんに抱かれたい。
愛を確かめたい。
私は愛されていると。
キスをしながら、フェザータッチで身体を撫でられる。
傑さんの余裕のなさそうな呼吸が胸を高鳴らせる。
まだ傑さんからは求めてもらえる。
どうかそばにいて。