第12章 2月
五条side
風海のチョコがもらえないまま放課後になった。傑と部屋に向かおうとした時に、脳筋野郎が教室に飛び込んできた。
夜「よかった。悟、傑、今から任務だ。」
絶望とはこーゆーことを言うんだろうか。
悟「はぁ?!今日なんの日か知ってるぅ?!」
傑「先生、大変申し訳ないのですが、体調が優れません。悟に行かせてください」
コイツ!!ダチを売りやがったな?!
夜「悟と歌姫は西、傑と硝子は東だ。」
傑の話はさくっと無視されてやんの。
そんな時に2年の教室にひょっこりやってきた愛しの風海。
『あっ!…これから任務ですか?』
これでもかと眉毛を下げ、悲しそうな顔をする。こんな顔させて!脳筋野郎…これで雑魚案件だったら呪うからな。
夜「そんな顔で見るな…さっさと行け!幸い、関東圏内だ」
関東圏内とはどこを指す言葉だろうか。都内ならまだマシだったのに…ぜってぇ今日中に帰る!
風海は見送りに来てくれたが、あっという間に車が出発してしまった。
名残惜しく車内でも“風海〜” “愛してるよ〜” “待っててね〜”
等と叫び、別れを惜しんだ。
歌姫がついてきたところで…なんか理由があるのだろう。男女ペアじゃないといけない理由。だから傑も硝子と向かった。
だったらアイツとペアにしてくれよ!!
歌「で?風海の本命は何をもらったの?」
おそらく落ち込む俺を慰めようとしてくれたんだろう。けど、今の俺には地雷だ。
悟「はぁ?ケンカ売ってんの?!」
歌「なんでよ!アンタが落ち込んでるから風海の話題振ったんでしょうが!私たちにあんなに美味しいもの作ってくれたんだから、アンタ達はさぞ良いものだったんでしょ?!」
あぁ…歌姫にも先を越されてた…
もう涙が出そう。
歌「事務室にご自由にどうぞって置きにいくって言うから手伝ったのよ。もう、すごかったわよ?風海の人気は…。アンタ、ちゃんとしないと逃げられるんだからね!?」
あぁ?!俺よりも先にもらった男がいるっていうのか?!
今運転しているお前もか?!
一気に俺の殺気が高まる。
悟「俺まだもらってねぇの。放課後に約束してたのにさぁ俺より先にもらった男がいると思うと捻り潰したくなるっつーの…でも、任務でよかった。八つ当たりできる相手がいて。」