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《赤井夢》Happiness{R18}

第48章 脆弱




「美緒ならきっと大丈夫よ。
あの子もシュウのこと、本当に好きみたいだから。」


そうだといいんだがな…



アーロンが言っていたように
安室くんに慰められて彼に気持ちが傾いてしまったら…


そんな嫌な考えが頭をよぎると
息が苦しくなるほど胸が痛くなった。




「…そんな不安そうな顔、らしくないわよ?
アーロンに言われたことなんか気にしなくていい。
美緒は一途にシュウのことを思ってる…
あなたがそれを信じないでどうするのよ。」


「…。」


「疑心暗鬼になる気持ちも分かるけど
私は2人なら…この先どんな事が起きても乗り越えられるって信じてるからね。」



ジョディは俺にそう告げると去って行き
吸っていたタバコに目を向けると
いつの間にか、かなり短くなっていた為、灰皿に押さえつけた。





「信じる、か…」





ジョディの言葉が心に響き、何度も俺の頭の中で木霊していた。




…そうだよな。

俺があいつを信じてやらないでどうするんだ…


ただでさえ不安になっていた美緒を
責めるような真似をしただけの俺ができる償いは
もうそれくらいしか残っていないだろう。




美緒……俺はもうお前の事を疑わない。


直接お前から話を聞けるまで
どんなに時間がかかっても待つ…


だからお前も…俺の事を信じてくれ。






俺の事を…



嫌いにならないでくれ…




喫煙所にあるベンチに座りながら
そんな事を切実に祈っていたら、どうしても美緒の声が聞きたくなった。




電話に出てくれる可能性は低いだろうが
俺はスマホを取り出して、発信ボタンを押した。




柄にもなく緊張しながらスマホを耳に当てると、


ワンコールだけで電話に出る音がし
繋がった事に安心していると…




俺に助けを求める
美緒の切羽詰まった声が聞こえてきた…。




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