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《赤井夢》Happiness{R18}

第48章 脆弱




顔に手を当ててため息をついていると
ジョディの慰める声が聞こえてきた。


「シュウ…私が美緒に黙っていたせいで…
ごめんなさいね…」

「いや…お前は悪くない。全て俺の責任だ…」



ちゃんと美緒に話していれば…
あいつの話をちゃんと聞いてやれば
こんな事にならなかったはずだ。


後悔に苛まれていると、そんな俺を見て
アーロンが鼻で笑う声が聞こえた。



「がっかりですよ、赤井さん。
FBI捜査官として優秀なあなたを尊敬していたのに…
恋人と揉めただけでそんなに脆くなるなんてね。」



確かにそうだな…

まさか自分が美緒との関係が拗れただけで
ここまで悩むとは思わなかった。

それと同時に、俺はあいつのことが
心の底から大事なんだと思い知らされた。




「つーか、俺の揺さぶりぐらいで脆くなる弱い女なんて
赤井さんには似合いませんよ。
ジョディさんのこと、もう一度考えてみたらどうですか?」


「あなた…!何を言ってるのよ!」


「だってそうでしょ?ただの一般人の女なんかに
赤井さんの彼女が務まるわけがないんです。
まぁ、顔は万人受けする感じでしたから、今頃あの女
他の男に慰めてもらってるかもしれませんよ?」


「…。」


「アーロン!口を慎みなさい!!」


「俺は思ったことを言ってるだけです。
傷心の女ほど簡単に落としやすいし、
きっとあの女も赤井さんと別れたら
すぐに新しい男を見つけて…「黙れ…!」…っ!!」



アーロンの言葉に怒りを抑えきれなかった俺は
奴の首に左手を伸ばし、ギリギリと締めつけた。






「俺の事を何と言おうが
どう思われようが別にかまわん……、だがな…」


「ぐっ…ぅ…ぁ…」


「美緒を侮辱し、
傷付ける奴は誰であろうと許さない。
今度また同じ事を言ってみろ…お前を殺す。」


「っ、カハッ……ゲホッ…!」




乱暴に手を離すとアーロンは喉元を押さえ咳き込み
そんな様子を一睨みしてから俺はホテルの部屋を出て


少し頭を冷やそうと思い、喫煙所に向かった。



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