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《赤井夢》Happiness{R18}

第48章 脆弱


「美緒のこと、ホテルの従業員に聞いて調べたんだけど
私と会う前に1人の男と話していたらしくて
特徴を聞いたらFBIの捜査官の1人だってことが分かったの。」


「何を話してた…?」


「さっきその捜査官に連絡して呼び出したから
今から話を聞きに行くんだけど、あなたも来る?」


「…分かった、すぐに行く。」



電話を切って歩き出すと後ろから安室くんの声が聞こえた。




「僕は以前、ある男に言われました。
彼女を傷付けたら殺しに行く、肝に銘じておけ、と…」


「…。」


「ですが今、美緒さんを傷付けているのは…
誰なんでしょうね?」



安室くんは俺の背中に向かって話しているが
その声は彼が本気で怒っている時に出すもので、耳にするのは久しぶりだった。




「僕が言われた言葉…
そっくりそのままお返ししますよ…沖矢昴さん。」


「…。」



安室くんの言葉に何も言い返せなかった俺は
先程ジョディとの電話で言われた場所に向かう為
近くに止めている車の所まで歩き出した。



運転席に乗り込んでからエンジンをかけ
車を走らせながら安室くんに言われた事を考えていた。



美緒は俺とジョディがホテルに入ったのを見たらしいが、なぜそれを俺に言わないんだ…?




美緒の様子がおかしかったのは土曜日。

俺がジョディとホテルに入ったのは日曜日…




ひょっとしたら土曜日のうちに
俺が美緒と工藤邸で言い合いをする前
ホテルで何かあったのかもしれない。

あいつが俺に何も話したくない、と思わせる何かが…




これから向かう先はFBIが滞在しているホテルの一室。



何があったのか全てを知ってから美緒に謝罪しに行こう…



許されるべきではないことをしたと思っているが
それでも俺の気持ちは変わらない。

あいつが例え
安室くんと関係を持ってしまったとしても…




俺はもう…美緒のことを手放せない…




それくらい美緒の事が大事で
好きで好きでどうしようもないんだ。



美緒…



こんな俺をどうか許してくれ…




心の中でそう唱えながら車を走らせていると
目的地であるホテルに到着した。






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