第47章 恋愛
「…98%、身体を重ねるのが目的でしょう。」
『っ…そう…ですよね…』
安室さんにハッキリそう言われると
私の脳裏に赤井さんとジョディさんがホテルに入って行く姿が浮かんできた。
再び泣きそうになっていると
安室さんの小さいため息が聞こえてきた。
「僕は別に100%そうだとは言ってませんよ…
まだ他の可能性も残ってます。」
『えっ…?』
「雨が降っていたので
雨宿りをしていた可能性だってあります。
他にも刑事がホテルを利用する被疑者を張り込む時に使用することもありますから。」
…確かにその可能性もあるけど、それはたった2%。
今の私には
その低い確率を信じる気持ちにはなれなかった。
距離が近い2人を見て…
お似合いだと思ってしまったから…
「信じるか信じないかはあなた次第です。
でも僕は……
赤井が浮気する度胸があるとは思えませんがね。」
『?どうして…そう思うんですか…?』
「……それは言いたくありません。」
えぇ…そこまで言っておいて教えてくれないんだ…
「それより明日はお仕事ですよね?
体を休める為に早く寝て下さい。
明日の朝、学校まで送ります。」
『でも…安室さんはどこで寝るんですか?』
「僕はまだ仕事が残ってるので
終わらせてからその辺に転がって寝ますよ。」
その辺って…床で寝るってこと…!?
いやいや、家主にそんなことさせられないよ!
「言っておきますが、あなたに拒否権はありませんよ?」
『で、でも……』
「硬い場所で寝るのは慣れてるので大丈夫です。
ほら、早く寝て下さい。」
グッと肩を押されてベットに無理矢理寝かされると
安室さんは私に布団をかけてくれた…
でも…
『……半径、1メートル。』
横になった私を安室さんはなぜかじっと見つめていて
近い距離に戸惑いながら私はいつもの呪文を呟いた。
「心配しなくても何もしませんよ…
あの男の事で悩んでる美緒さんは
とても不細工ですからね、口説く気すら起きません。」
不細工って……
やっぱり安室さんは優しいけど時々すごく意地悪だ。