第47章 恋愛
ホテルから出る頃には雨は止んでいて時刻は夕方…
俺達は大通りまで歩き、タクシーを拾って
ジョディが滞在しているホテルへ向かった。
「もう…私は1人で大丈夫って言ってるのに。」
「今はお前の大丈夫はアテにならん。」
「本当に…あなた変わったわね?」
…変わった?俺が…?
ジョディの言葉の意味が分からずにいると
そんな俺の様子を見て隣に座っているジョディは笑っていた。
「昔は近寄りがたくてずっと怖い顔してて
同僚の体調が悪い事なんて気にもしなかったくせに。」
…確かに、
アメリカにいた頃はそんな事を気にせず
ただひたすら仕事に打ち込んでいたからな…
日本に来てからもそれはしばらく変わらず…
そう考えると、
俺の頭の中にあいつの顔が思い浮かんだ。
「美緒と出会ってからよね?
あなたが優しい顔をするようになったり、
私だけじゃなくて同僚にも気を配るようになったのは…」
「…。」
そうか…
いつの間にか俺にも
美緒のあのお節介が移っていたのか…
……俺はもう取り返しがつかないところまで
美緒にハマってしまっているようだな。
「早く美緒と仲直りできるといいわね?」
「そうしたいのは山々だが…連絡が取れなくてな…」
「え…!?そうなの…!?」
「ああ。」
心配で落ち着かない為
ジョディをホテルまで送ったらそのまま美緒の家に向かうつもりだ。
「そういえば美緒…
昨日会った時も少し様子が変だったわね…」
「そうなのか…?」
「ええ。ホテルの従業員が何か見てるかもしれないから
少し調べてみるわ。」
「ああ、よろしく頼む。」
話が終わったタイミングでホテルに到着し
俺はそのままタクシーに乗って美緒のアパートに向かい
合鍵を使って部屋に入ったが留守で……
あいつが帰ってくるのを一晩中寝ずに待っていたが
電話もずっと繋がらず……
結局美緒は朝になっても家に帰ってこなかった。