第47章 恋愛
side 赤井
ジョディがホテルのベットで眠っている間
俺はソファーに座り、美緒の事を考えていた。
昨日…美緒に使いを頼んでジョディに書類を届けさせたが、工藤邸に帰ってきたあいつはキッチンで肩を震わせて泣いていた。
……その原因が全くわからない。
何かあったのかと聞いても美緒は話さず
俺と釣り合ってないとか、俺にはもっとふさわしい女がいるなどと口にしようとしていた。
そんな言葉を聞きたくなかった俺は頭に血が上り、美緒に冷たい目を向けてしまった。
…あいつの事になると
冷静でいられなくなる自分が本当に情けない。
ジョディの言った通り、
美緒の前では俺もただの1人の男だな…
そもそもなぜ美緒はあんなに自分を卑下するんだ……
あいつはその辺の女より魅力的で
それを何度も伝えているのにも関わらず、その事を全く自覚していない。
確かに俺と美緒は生きる世界が違うが
そんな壁を乗り越えてしまうくらい俺達は互いを想い合ってると思うんだがな…
「はぁ…」
……考えていても仕方がない、美緒と話そう。
そして冷たい態度を取って悪かった、と謝罪しなければ…。
ジョディが寝てる今、
俺は美緒に電話をかけたが…
電源が入っていないという音声ガイダンスが流れるだけで
数十分置きにかけ直しても全く繋がらないままだった。
スマホの電池が切れているだけならいいんだが……
とてもそうとは思えず、嫌な予感がした。
しばらくそのままソファーに座っていると
ジョディが目を覚ましたのか、ベットから起き上がる音が聞こえた。
「起きたのか……気分はどうだ?」
「寝たらかなりスッキリしたわ!もう大丈夫!」
「そうか…」
ジョディの顔色を見ても先程よりかなり良くなっていた為
恐らく熱も下がったんだろう。
すっかり元気を取り戻しているジョディは
「長居は無用!」と言い、俺達はすぐにホテルを出た。