第47章 恋愛
「ご、めんなさいね…
少し熱が…上がってきちゃったみたいで…」
「このまま歩き続けるのは無理そうだな…
仕方ない、少し休むぞ。」
歩道から脇道を通って路地に入り
私達は一軒の煌びやかなホテルに入った。
「ちょっと…流石にここは…」
いくら私の体調が悪いからってこんなホテルに入るなんて
美緒に知られたらどうするのよ…
「恐らく直に雨が降る。傘も持っていないし
お前を休ませる為にはここしかないだろう。」
確かにタクシーが拾える場所までまだ少し距離があるし
仕方ないとは思うけど…
今はただの同僚だけど、元彼とラブホテルに入るのはさすがに罪悪感が、ね…
「美緒に悪いと思うなら
今後は自分の体調のことくらいちゃんと管理しろ。
それにそんな体で歩き続けたことがあいつに知られたら
その方が余計に心配をかけさせる。」
…やっぱりどんな時でも
シュウの頭の中は美緒でいっぱいなのね?
私はぼーっとする頭でそんな事を考えながら
シュウと一緒にホテルに入り、ベットに寝かされるとすぐに眠りについた。
昔から熱が出た時は、少し寝れば大体すぐに熱は下がる…
たぶんシュウもその事を知っているから
ホテルで休む事を選んだんでしょうね。
……でもまさか美緒が
私達がホテルに入るところを見ていたなんて、そんなこと夢にも思わなかった。