第47章 恋愛
「大丈夫よ。それより、早く行きましょう?」
「……そうか。」
我慢できないほどの体調不良じゃなかった為、
あまり納得していなさそうなシュウと一緒に工藤邸を出て
車で近くのファミレスへと向かった。
そしてすでに到着していたジェイムズとキャメルと合流し
昼食を取りながら組織についての調査報告を行い
1時間ほど経ったところで私達は店を出た。
「ではジェイムズさん、タクシー拾ってきますね。」
「あぁ。よろしく頼むよ。」
「ちょっとキャメル、いつものベンツはどうしたのよ。」
「あ、いや…
実はここに来る途中でパンクしてしまいまして…
今修理中なのでこれから取りに行く予定なんです。」
困り顔でそう話すキャメルだけど
確かジェイムズはこれからホテルで
他の捜査官とも打ち合わせのはず……
私は自分の上着のポケットに入れていた車の鍵を取り出した。
「よかったら、この車使っていいわよ?
私とシュウがタクシー拾って帰るから。」
「!!おい、ジョディ…」
「え…でも…いいんですか?」
「ええ。早くホテルに戻らないといけないんでしょ?
私達なら大丈夫だから。」
私の様子を見てシュウは何か言いたそうにしていたけど
ジェイムズが急いでいるのは彼も分かっていたようで
私の体調が悪いことは言わないでいてくれた。
「すまないねジョディ君。
お言葉に甘えて借りる事にするよ。」
礼を言うジェイムズに頷いて
キャメルに鍵を手渡し、2人を見送ってから
私とシュウはタクシーがたくさん走っている通りまで歩き出した。
でもファミレスに入った時はいい天気だったのに
今は曇り空になってきていて…
気候の変化のせいもあってか、私の熱はかなり上がってきてしまっていた。
さらには休日ということもあり、歩道は通行人が多く
すれ違う人とぶつかってしまった拍子に私の体がよろついてしまって…
「全く……どこが大丈夫なんだお前は。」
隣にいたシュウが私の肩に手を回し
歩きやすいように支えてくれた。