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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第15章 ダブリスの獣たち








銃声が飛び交い、店内はもはや小さな戦場と化した。
床に散る真っ赤な液体。

「くそったれが……。実験所には戻らねぇぞ」

モヒカンの男性が、脇腹を抑えて床に座り込んでいた。
実験所、と言う言葉に彼もまた合成獣なのだろう。
彼の頭に銃口を向け、私は静かに引き金を引いた。

「地下一階、制圧完了です」

ここに、彼らがいなくて本当によかった。
こんな姿、見せられない。
見せたくない。

頬に飛んだ返り血を乱暴に拭い、地下二階へと進んでいく。
人の気配がないことを確認し、歩を進めた瞬間だった。
私の後ろにいた兵士2人が、天井に身を隠していたドルチェットさんによって殺された。

「ドルチェットさん……」
「まぁ、あんたが軍人だって言った時から、こうなることはなんとなくわかってたけどよ」

乾いた笑みを零すドルチェットさんに銃を向けるが、撃つことができない。
彼の人となりを知ってしまったからだろうか。

「アルフォンスくんはどこですか。無事なんですか。教えていただけたら、あなたのことは……」
「情けでもかけてるつもりか?俺とあんたは敵同士だぜ」
「……そう、ですが………」

わかっているけど、でも、撃てない。
昔の私なら容赦なく撃っていたはずなのに。
悪人であることに変わりない。
それでも、彼らなりの生き方を知ってしまった。
情が移ってしまった。





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