第15章 ダブリスの獣たち
「あんたがいながらこんな事態とはね」
「す、すみません……」
不甲斐ないところを見せてしまった。
兄弟の護衛なのに、保護者である彼女に心配と不安を抱かせるなど……。
「おいおいおいおい。おねえさん、いきなりそりゃ無いでしょ」
「あんたが責任者?うちの者が世話になったわね。連れて帰らせてもらうわ」
「それはできねえ相談だ」
「あっそう」
グリードの顔面を殴るイズミさんだったが、その手からは血が滴っている。
「指、イっちまったんじゃねぇの?」
口角を上げるグリードの顔が黒くなっている。
「師匠!!」
「カンベンしてくれよ。女と戦う趣味は無ぇ」
「その身体……、どういう……」
「ん?ああ。ちょっとやそっとじゃ傷一つ付けられねぇぞ」
訊きたいことはそういう事ではなく、何かの力を持っているのか。
錬金術ではないなにかを……。
「兄さん……、兄さんは来てないんですか⁉」
「?まだ帰って来てないけど……」
「師匠!!この人、ホムンクルスなんです!!」
アルフォンスくんはイズミさんに、元の身体に戻るヒントを持っているから、エドワードくんに知らせなければいけないと言った。