第2章 契約
松田は此処からでは聞き取れないが言いたい事を言っている様だ。
やがてフィルの行動が止まり、松田は顔を拭った。
フィル「……それは君には関係の無い事だッ」
声を荒げたフィルは松田の腕を捕えると一瞬で征圧してみせた。
名前「フィル、どうした」
フィル「……何でもありません。」
名前「フィル。私の事は気にせず話せ。」
フィル「…」
名前「…そうか、話したくなったら話せ」
フィル「…はい」
名前はフィルの手をぎゅっと握ったあと離した。
オレは松田に近付き怪我の程度を確認した。
特に外相は無く、狙われていた関節も一時的な痛みを与えただけだろうと分かった。
となれば、フィルは最初からそのつもりだったんだと察した。
「松田…フィルに何言ったんだ…」
松田「別に」
「ハァ……フィルは最初からお前の事考えてたみたいだぞ」
腕の関節やその他の場所をめくって痣が無い事を見せると松田はバツが悪いと首の後ろに手を当てた。
名前「キャル、終わったか?」
キャル「いけますよ!」
運転席に乗り込んだキャルはエンジンをかけた。
名前「ヒロ、松田と一緒に後ろに乗ってくれ。シオンは最後に乗り込むから助手席に。ノアとフィルは私と真ん中に。」
指示された場所に乗り込むとドアを閉めた。
船から港に車を出して橋となる部分をシオンが閉めると車に乗り込んだ。
名前「じゃ、先ず東都水族館に向かおうか。ノアも見たいだろ」
ノア「あの後ですから見たいですね」
キャル「他はー?」
フィル「適当に杯戸町と米花町を走って貰えば良いかな?」
「それで充分だよ。既に見慣れない物が多くて何年も経ってるって分かる。」
名前「……渋谷のスクランブル交差点とヒカリエも通ってくれ。必要になる。」
松田「…何にだ?」
松田がヘッドレストを掴んで身体を前に寄せる。名前に顔を近付けて聞き出そうとした。
名前「教えられない」
松田「秘密が多いんだな」
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