第2章 契約
ドライバーを手渡された松田は何度か打ち付けたが上手く切れないようだ。
流石に後ろ手には無理があったらしい。
名前が工具箱からニッパーを取り、結束バンドを切ると松田は手首を摩った。
名前「キャルが調整をしている間、全員暇になる。松田……起きたばかりで身体を動かしたいとは気が利かずにすまなかったな。
折角だ、誰が相手するか選ばせてあげるよ。」
“気が利かずに”なんて言っているが謝るつもりは一切無さそうだ。
松田「ならアンタ」
名前「やめておけ。私に力は無いから君の好む戦闘じゃ無い。ブレスレット争奪戦という特殊ルールだ。 これは降谷零も負けている。君に勝ち目は無い。」
ーーゼロが負けた…?…信じがたいと思っているとキャルがそっとタブレットを操作してドローンから撮影したと思われる映像を見せてくれた。短い映像に纏められていたが攻撃を全て交わされていた。ーー
松田「…なら、フィル」
名前「…彼の腕力が有りそうに見えるからか?」
松田「ああ。」
確かにフィルの腕はしっかりとしていて人1人は余裕で担ぎ上げられそうだ。
フィルが松田の前に間合いを取りながらファイティングポーズを取ると松田が攻撃を仕掛けた。
フィルは其れを交わさず受け止めて関節に打撃を与えた。
松田「ッ?!」
フィル「…」
蹌踉ける松田を涼しい顔をして眺めている。
松田は忘れているのだろうか、
フィルがFBIの特殊な施設でいたという情報を。
それから松田は何度も攻撃を仕掛けるがその度にフィルに関節を狙われていた。
名前「フィル、関節が使えなくなる前に彼を征圧してくれ。それと彼の戦闘はこの中のメンバーの何位くらいだ?」
フィル「征圧に関しては了解。戦闘は…そうですね……最弱かと。」
松田「!…」
名前「それは筋力劣化とかそういう問題か?」
フィル「多少有り得ます。彼の腕にはもう少し筋力があった様なので。」
松田「……好き勝手言いやがって…!」
フィル「………」
殴りかかってくる松田の攻撃をフィルは余り交わさず手の平で受け止めている。
.