第2章 契約
名前から指示を受けたフィルを松田が見て直ぐ笑い始めた。オレは何がおかしかったのか分からず、松田に尋ねた。
松田「ゼロがこんな小さい女に指示されてんのが面白く思えてよ。」
名前「…」
フィル「…」
まずいな。シオンが此処に居ないのが唯一の救いだろう。もしも居たらどうなっていたか分かったものじゃない。
フィル「…別の方法で起こしますか?」
名前「…」
フィルの顔はにこやかだが声と言葉はまるで逆だ。
名前「…シオンに穏便に済ませろと言った身で危害を加える事に賛同は出来ない。出来るだけ丁寧に扱ってやれ。それと私は少し此処を離れる。その間にこの組織がどういうものか説明してやれ。ヒロ。その時は君も居てやれ、その方が分かりやすいだろう。」
フィル「…貴方がそう仰るなら。」
松田「忠順な事だな。」
「松田…それ以上は…」
名前「ヒロ。構わない。彼には忠誠心が存在しない。当然だろう。まだ一旦しか知らないんだからな。……街並みや外の様子を見れば時間の経過が分かるだろうと思って、外に連れて行くつもりだったが一旦それは保留にする。
ノアとキャルを呼べ。私はシオンを連れて散歩にでも行ってくる。彼奴が居ると何するか分からない。」
出口に向かいながら名前は通信機を使い、キャルとノアに医務室に向かうように通達していた。
実際は“散歩”だなんてしないんだろうなと頭の片隅で思ったが口にはしなかった。
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