第12章 半年経ちました。
それから僕らは、2人のお家に帰った
移動中、ずっと黙っていた翔くんは
お家に着いても何も言わず
ただ、黙って
ずっと僕の手を握っていた
「……訊かないの?」
沈黙に堪えられなくなった僕が口を開くと、僕の手を握った翔くんの手が
ピクリと緊張した
「…なんであんなトコに居たんだとか…何してたんだとか…
…訊かないの?」
「………」
翔くんは、それでも黙って俯いたまま
僕は段々不安になってきた
(…あの場所に来たってコトは多分、松本さんに僕が松岡さんと会ってるコトを聞いたってことだよね?
あんな怪しい場所で松岡さんと会ってたのに何も言わないなんて…
…もしかして…////)
「翔くん…あの…///」
「……別れないよ////」
「え?////」
もしかしたら怒って、もう別れるなんて言われるのではと思っていた僕は
真逆のコトを言われて驚いた
よく見ると、翔くんの俯いた顎の辺りから、ポタポタと涙が零れている
「しょ、翔くん泣いてるの?////」
「例え浮気したとしても…俺、智くんと別れない……離してあげないんだもん///」