第12章 半年経ちました。
「…まさか、始めからそのつもりで…
…だから、松本さんの電話を借りたの…?」
「どんな汚い手を使ってでも」
「っ!!////」
僕のカラダを這っていた松岡さんの手が、僕の中心に行き着く
「お前を取り戻したいんだ……愛してる、智…」
「違うッ!!」
僕は松岡さんの手から逃れようと必死にもがいて叫んだ
「そんなの愛してるなんて言わないよッ!!愛してるって、愛してるっていうのはッ…!!////」
涙の浮かんだ目をギュッと閉じると
瞼の裏に翔くんの笑顔が浮かんだ
翔くんの、弾けるような明るい笑顔
それから
愛おしそうに僕を見詰める
トロケそうなくらいに甘い、その笑顔
ああ、自分は愛されてるんだって
自分は、彼を愛してるんだって
その笑顔を見る度に、胸がほんわか暖かくなる
その柔らかな暖かさは
寂しかった僕の部屋を
虚しかった僕の生活を
ただ流されていただけの僕の人生を
暖かく包んでくれた
だから僕は
彼を想うだけで
彼を近くに感じるだけで
…それだけで、満ち足りた幸せな気持ちになれるんだ
愛するって
愛し合ってるって
きっと、そう言うものなんだ