第12章 半年経ちました。
「…どうだ、悪い話しじゃないだろう?」
「……」
僕は、松岡さんから渡された契約書を、じっと見詰めた
「絶対に悪いようにはしないから、お前は黙ってココにサインを…」
「…一生愛人でいますってサインをしろって?」
「大野…」
「だってそうでしょ?」
僕は契約書を松岡さんの手に押し付けた
「この契約だと、僕は貴方を通して契約を結ぶって事になる
…つまりは、貴方次第で何時でも契約を切ることが出来るってコトでしょ?」
「…大野」
松岡さんは、押し付けられた契約をテーブルの上に置いて僕の手を握り締めた
僕はその手を振り解いて、テーブルの上の契約書を睨み付けた
「仕事をくれる見返りは何?
僕の体で払えっていうんじゃないの?…違う?」
「……愛してるんだ、大野……」
「!!!」
いきなり抱き締められて、一瞬息が止まる
昔、幸せしか感じなかった松岡さんの腕の中は、身震いがするくらい、居心地が悪かった