第12章 半年経ちました。
「じゃあな、お疲れ!」
俺はきっちり定時で仕事を終えると、同僚に声をかけて席を立った
智くんとの目眩く同棲生活も、はや半年
俺はもう、智くん無しでは俺の生活が成り立たないくらいに、智くんとの暮らしにどっぷりとハマっていて
一緒に暮らし始めてからこっち、残業も殆どせず、寄り道は一切しないで真っ直ぐ帰る毎日を過ごしていた
「今日も真っ直ぐ帰るのか櫻井?たまにはちょっと一杯くらい付き合えよ」
「ダメダメ!俺にはね、家で待ってる可愛い人がいんだから♪」
「また例の同居人?
いい加減その子もうんざりしてんじゃないのか?毎日毎日定時で寄り道もせずに帰って来て…」
「そんな訳なかろうでしょうがよっ!!(怒)」
俺は鼻息をフンフン荒げて鞄を肩に担いだ
「うちの智くんはね、俺の帰りを今か今かと待っててくれてるの!
だからね、俺は一刻も早く帰らなきゃなんないのっ!!」
「……解ったから、唾飛ばすなよ(汗)」
「じゃあな!!」
俺はそう言って適当に同僚に手を振ると、早足で会社を後にした