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術師殺しと箱入り娘【呪術廻戦】

第8章 因果呪縛を解く




「おやァ?美味そうなニンゲンがいるねぇ」

「!」

ズルリと這い出てきた呪霊は見上げる程大きい。
鮮やかな赤い頭の先には毒が滴り落ちる牙、黒光りする長い胴体から黄色い脚が無数に生えている……巨大な百足の呪霊。
言葉を操るレベルなら相当強い。


「呪霊は不味かったから、ちょうどいい口直しだねェ」

足元にいた低級呪霊をぐしゃりと踏み貫き、大百足は巨大な体躯を持ち上げる。

穴から湧き出してきた低級呪霊はこの大百足呪霊から逃げていたのか。
最初の集団は後ろから湧き出す呪霊に押し出される形だったため大百足を知らず、後の集団は真後ろの脅威から逃れようとあんなに必死な様子だったのだ。

低級呪霊を逃す訳にはいかないが、この大百足と戦いながら祓うとなると手こずることは必至。

「……だったら、まずはこっちよね」

大百足を仕留めてから低級呪霊を祓う。

どう動けば早く決着できるか、瞬時に頭を切り替えた伽那夛は足元に術式で磁場を作り、靴と反発させて高く跳び上がった。

狙うのは大百足の頭。

差し向けられた毒牙をわずかに身を捻って躱し、脳天に踵を落とす。

「っ!?」

しかし、まるで衝撃を反射したかのように靴のエッジが弾かれた。

バランスを崩した伽那夛を狙って大百足呪霊の牙が迫るが、ここで焦る伽那夛ではない。

「そういう術式?だったらこれはどうかしら?」

大きく開いた口へ呪力を放つ。
それはバチバチと音を立て、強力な電撃となって大百足の体内を駆け巡った。

「ギャァアァァッ」

口から体内に電流を浴びた大百足は悶絶して周囲の木々を薙ぎ倒し、地面を揺らした。
逃げ出していた低級呪霊も巻き添えになっている。

暴れる大百足が届かない場所に着地した伽那夛は素早く肉薄し、大百足の脚の付け根に靴のエッジを向けて蹴りを入れる。

今度は反射されるような感触はなく、難なく脚が切り落とされた。

すかさず追撃で胴体に蹴り込む、こちらは頭部と同様に弾かれた。


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