第8章 因果呪縛を解く
「暗殺依頼を取り下げるのなら、私が責任を持って星漿体を海外に逃がすわ。ある特級術師にも協力を取り付けている。五条悟とは別の術師ね。国外なら呪術総監部も手出しできないから、天元様は同化できない。よってあなた達盤星教の禁忌も犯さない。どう?悪い話ではないでしょう?」
「……何故だ?オマエは呪術師だろう?何故我々に手を貸す?」
「利害の一致よ。天元様の同化のシステムには思うところがあってね、自分で望んだ訳でもないのに、たまたま適合する肉体を持って生まれたというだけの少女が生贄になるなんてとんだ時代錯誤だわ」
伽那夛はゆっくりと足を組み、園田を見据えた。
「さて、私の提案した海外亡命案に乗る?それとも今の星漿体を暗殺して、見つかる保証もない次の星漿体を血眼になって探す?どちらがいいかしら?」
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応接室から出てすぐに事の顛末を聞いた孔は思わずこめかみを押さえた。
「オマエなぁ、自分が何したか分かってんのか!?」
「もちろん、分かっているわ。盤星教に星漿体の暗殺を諦めさせて、甚爾をタダ働きに追い込んだ」
「……滅茶苦茶だよ、全く。勘弁してくれ」
なんだかんだ素直でお人好しな少女だと思っていたが、とんだ思い違いだった。
御三家の術師なりに腹の底を見せずに裏で動くこともできた訳だ。
この時ばかりは伽那夛が小悪魔に見えた。
「さぁ、甚爾にこのことを連絡しないといけないわよね、早く電話してくれる?」