第8章 因果呪縛を解く
術式を使えばすぐに追いつけるが、さすがにこんな人通りの多いところで使う訳にもいかず、バレない程度に呪力強化した脚で走って追いかける。
車が走ってきた方向的に孔は廉直女学院にいた可能性が高い。
まさかもう星漿体の暗殺に成功したっていうの!?
仕事が早すぎる、悟は一体何をやってたのよ……!
焦りも浮かぶ中、伽那夛はワゴン車を見失わないうちに拾った小石に磁場操術を使い、信号で止まった隙に投げて車に貼りつける。
これで万が一見失っても自分の呪力を辿れば、少なくともワゴン車の行方は分かる。
伽那夛は人目のない脇道に入り、術式を使ってビルの屋上まで一気に駆け上がった。
ここなら地上を歩く人々にはまず見られない。
ビルからビルへと飛び移りながら、孔のワゴン車と付かず離れずある程度の距離を保って追っていく。
あのワゴン車の目的地はどこ?
もし暗殺が成功したとしたら、あの車には星漿体の遺体があるはず。
遺体引き渡しのために盤星教へ?
先回りを……と考えるも、首を横に振ってすぐ断念した。
盤星教の拠点は都内に数多く存在する。
規模の大きい拠点に絞っても、孔が盤星教のどの拠点に向かっているのかまでは伽那夛では見当がつかない。
いくら考えても仕方ないため、伽那夛は尾行に専念した。