第19章 “漆黒”
「……アサリ、嫌いなので味見出来ない状態の提供になりますが?」
それを聞くと3人は嬉しそうにニコニコした。彼らの笑顔は1人分で充分なのに3倍の圧が厚い。
「あと、安室さん手伝って下さい。野菜の量を増やしてスープにします。」
「…成る程、貴方と其処で肩を並べて調理出来るのは僕の特権ですかね」
椅子から立ち上がりながら何かをぼやいている安室さんを無視して、ある野菜全種類とってきて下さいセロリ以外。と言うと今度は沖矢さんが笑った。
「私はセロリ嫌いじゃないですよ。ただ嫌いな人が多いから一々気にして料理したくない」
材料を取りに行ってもらっている間にアサリを白ワインで酒蒸しにする。
安室さんが持ってきてくれた食材を火が通りやすいように薄く小さく切っている間に蒸しあがったアサリを殻から外し、取り分けておく。
手鍋にバターを溶かし切って貰った野菜を入れ炒めている間に小麦粉を取る。少量のワインと水を加え小麦粉を少しづつ加えて粉っぽさが無くなるのを待ったのちそれを牛乳とトマト缶の残りで伸ばす。
「…安室さん、味見と調整をお願いします。」
後の工程を安室さんに任せてセロリの葉と
パセリを少し冷蔵庫から取って戻ると
ラウンドグラタン皿を3つ並べ味を整え終わった安室さんが注いでくれていた。
2皿にパセリを1皿にセロリの葉を乗せ2人の前に差し出す。
「トマトクラムチャウダーです。」
いただきますと言って食べ始めると彼らは美味しいと言ってくれた。
ーー赤井さんって結構なんでも食うんだな…
セロリの葉乗せたらどんな反応するんだろうーー
3人を他所に悪戯心が芽生えるが実際にしたら後が怖いと思い考え直した。
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