第19章 “漆黒”
主人公said
アサリを眺めながら何を作ろうかと考えを巡らせて、今さっきあった事を頭の中から一時的に消し去った。
ーーソースを作っておけば、後から食べられるかーー
砂抜きしたアサリをザルにあげ鈍い音がするものは弾きながら軽く洗い水気をとった。
ニンニクとイタリアンパセリを多めに刻み、トマト缶を開けた。
2つのバットとラップを用意して取り敢えずそれは遠い位置に置く。
フライパンにオリーブオイルを引き刻んで無い鷹の爪とニンニクに火を通す。イタリアンパセリを加え、そこに白ワインとアサリを加えて蓋をした。
火が通る間に洗い物を済ませておく。
ふと、顔を上げるとカウンターに3人が横並びになっていて此方を眺めている。
「…安室さんは働いて下さい。」
「キッチンを使いこなす姿を見てお邪魔にならないようにと思いまして。」
全く悪びれる様子もない姿で早々に諦めをつけ、お客さん来たら対応をと言うとはいと短く答えた。
アサリが開いた頃に取り出すために蓋を開けるとふわりと湯気と共に磯の香りが辺りを漂う。
適当に塩を入れ味をつけると半分をボールに避け、残り半分にはトマト缶を加え、味を整え直す。温まった所で火を止めバットに移しボールとバット其々に空気があまり入らない様にラップをかけ冷蔵庫にしまった。
ボンゴレとボンゴレロッソのソースを作った事を書き置いていると3人がキョトンとしているのが目に入った。
ーー明らかに、出てくるのを待っていたと言わんばかりな顔をしている。ーー
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