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D.World.

第19章 “漆黒”







唇が触れた儘の状態で彼女と同じように話す。

「…こう、するんですよ…」

「……っ」

彼女の唇を舐めてそのまま舌を入れると彼女は全身を微かに振るわせ小さく声を漏らした。
一瞬で瞳が潤んで、舌が震えている。

ーー可愛い…ーー


「…私もそれ以上は、施しを受けた事が無いので止めて頂けますか?」


沖矢昴の声が異様に近い位置で聞こえ、自然と彼女が顔を離す。俺の腕で抱き止めているから逃げることは出来ないが、沖矢の指が彼女の顔を撫で上を向かせた瞬間、軽いキスをした。

「チュッ…」
「ッーー…」


ーー僕の腕の中で…ーー

苛立ちが頂点を迎えそうだったが彼女は直ぐに顔を背け、僕の胸の方へ顔を埋めた。
沖矢を睨むがコイツは一向に引こうとしない。仕方無く腕を緩め、彼女を解放するとアサリの入ったバケツを抱えてカウンターの方へ戻っていった。




沖矢said


「…真剣な表情は彼女の意志の強さを感じさせ、そういう事に慣れていない女性らしさはとても可愛く、突拍子のない姿は目を離せない。
……貴方が気に入るのも分かりますよ。」


「…そうですか。」


「だからって、“トリプル”で居ようとは思いませんね」


揶揄いながら話すと彼はピクリと眉を動かし、眉間に皺を寄せ、普段の安室透とは程遠い怪訝な顔をしながら此方を睨んだ。


「 同感です 」


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