第19章 “漆黒”
「要は、本物の血が流れていない私が撃たれたところで、偽物を連れて来たって言われてしまうとバーボンが危なくなる。どうせもう目をつけられてて逃げようにも行き場は殆ど無い。
足掻くなら信用も信頼も“無条件”に出来る相手は此処で聴いて貰っている君達だけが頼りだ。
死んだ人間の後始末を奴等はしない。だからその場に残れるバーボンとキールにはいて欲しいんだけどまぁ、キールは居なくてもいいけど。とりあえず、死体として海にでも捨ててくれれば“執事”が拾いに来るから。それが脱出方法かなー。」
「いや呑気かよ。かなーって」
「…もう少しマシな計画を期待していました。」
『…』
通話相手である降谷君は黙ったままだ。
俺に聞いてきたくらいだ、自分も覚えがあるのだろう、彼女に殺してと頼まれた事を。
2度も好む女性に銃を向けなければいけなくなる心境は…考え始めてその携帯から目を逸らした。
「沖矢さんは回収と緊急事態に備えて欲しい。コナン君は奴等に見つからないように沖矢さんをサポート。発信機盗聴器の類はどうせ壊されるんだ。つけて行かないよバングルのこれも外しておく。そうなると見つけやすいその眼鏡で拡大して探して貰う事になるけど慣れてるよね?」
ボウヤは笑顔を向ける彼女に驚く表情を浮かべたがすぐに
「何で知ってんだって思ったけど、そーだよな…知ってんだった」
一瞬にして疲れが来たのかボウヤの背中は丸みを帯びた。
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