第19章 “漆黒”
2つ…?ボウヤが来る事が分かっていながら3つ目を用意しないのは変だ。
「…ボウヤの分は無いんですか?」
「彼は多分飲まないよ。」
何故それが分かるのか。飛んで来た方向から考えると、ポアロには寄って来たようにも思えるが、それなら降谷君は居なかったのだろうか。
珈琲を手渡しながら彼女は俺の顔を覗き込んだ。
「…ポアロに居たんだよ。“蝉”」
なるほど。それを見掛けて瞬時に此方まで移動する手段を取ったのか。
「おまたせ?」
ボウヤがメインフロアに入って来た。彼女は軽く手を振るがボウヤは驚いた表情をしている。
彼女が携帯を取り出し、どこかへ電話をかけた。
「もしもし?今大丈夫?」
『_________..』
スピーカーになっては居ない為通話相手の声は聞こえないが、何となく分かる。
「よしじゃぁ、そのままで。
コナン君沖矢さん安室さんに報告。
黒の組織と接触する。」
全員黙ったまま電話相手が降谷君だということだけ公表して何の反論も誰もしない状況が出来上がる。
「安室さん…バーボン経由でベルモットに接触後、キールと話がしたい。後序でに私は死んだ事にする。」
「…脱出方法は?」
1番最初に安全に物事を終わらせる所から考えるボウヤらしい発言だ。
死んだ事にするのが序でと話す彼女も彼女らしい発言かもしれないが。
「脱出はしない。」
「なっ認められる訳ねえだろッ」
「今の私には脈が無い。つまり、“死ねない”」
「少々、過信し過ぎては居ませんか?その力は万能では無いと言っていましたよね…?」
「まぁ最後まで聞いて。どうせジンに会ったら“今度は撃ってください”って伝えてるんだから撃たれるに決まってる。」
「はっ?!どうやってそんな事ッ」
「…波土禄道の一件後、ですか」
「正解。ベルモットに言ったから伝わってる筈。そこでこの散弾をバーボンに撃ってもらう。」
「…これは?」
「血糊だそうです。糊と言っても本物の豚の「おっとそれ以上は秘密だ」
「…」
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