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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第5章 攻防の時間


『いや…確かにタコとは言いましたけど、まさか本物の紅だこをもって来るとは…効きますかね?』

次の日、教卓の上には対先生用ナイフが刺さった本物のタコがぬちゃりと置かれていた。彼曰く昨日魚屋で買ったらしい。皆昨日のこともあるので「やめときなよ」なんて言う人は誰もいない(私は勝手に絡んでくる彼の相手を渋々やってる)

「手間は惜しまない。それが嫌がらせの極意だよ」

『誰も聞いてませんよ』


と、ちょうど先生が教室に入ってきてしまった。できるだけ教卓に目を向けないようにする

「おや、皆さんどうしましたか?」

その目が先に行ったことは彼が確認した

「あ、ごめーん。先生と間違えて殺しちゃった。捨てとくから持ってきてよ」

「…………分かりました」

あのオーラは…ない










赤羽さん、貴方はあの怪物の本当の怖さと奇怪さを知らない


マッハで教室を出て、教室から見えるすぐ側の校庭へ。手にはさっきのタコと噴出口から濛々と火花を出すミサイル。
あのぷにぷにしている触手はドリル型になってキュルキュルと回転している。そんな使い方もできるのか…!まるで某転生漫画のスライムじゃないか!


「見せて上げましょうカルマ君。このドリル触手の威力と、自衛隊から奪っておいたミサイルの火力を」

先生は目をカッと開いてドリルとミサイルで何かし始めた。マッドサイエンティストのようなおぞましい雰囲気に息をのむ


「先生は暗殺者を決して無事では帰さない」

ぶわっと風が吹いたかと思えば

「…アッツ!!」

隣にはたこ焼きを口に突っ込まれている赤羽さんが

「その顔色では朝食を食べていないでしょう。マッハでタコヤキを作りました。これを食べれば健康優良児に近付けますね」

呆れた。ここでもポジションを崩さないのか

『はぁ、英知の無駄遣いですよ先生』

「ヌルフフフ、まだ命の危機に瀕したことがありませんからねぇ。この便利な能力を使わないのは効率的ではありませんよ早稲田さん。




先生はね、カルマ君。手入れをするのです。錆びて鈍った暗殺者の刃を。今日1日、本気で殺しに来るがいい。そのたびに先生は君を手入れする」

くぱぁと開かれた口にはいくつかのたこ焼きが。これだけでも十分怖い

「放課後までに、君の心と身体をピカピカに磨いてあげよう」

かくして二人の攻防は幕を開けた
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