第5章 攻防の時間
『逃げたいですよ…あんな授業中に名指しされたんですから。というかなんなんですか、ひつじちゃんって』
「ははは、仮に逃げられてたらケージの罠でも仕掛けようかなって思った」
『話聞け』
「カルマ君…なんで今日遊夢ちゃん呼び出したの?」
「ん-?ただ昔話に花を咲かせたいと思っただけ」
『嘘つけ』
「そりゃあ同じクラスだった時にはあんま接点なかったけどさ。二年の時君のこと俺助けたじゃん」
『…!』
「別に喧嘩沙汰にはなってないよ。あっちが勝手にビビって逃げただけ」
「どういう…」
「なんか事情は知らないけど…虐められてるっぽかった」
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「おら!下向いてねーで顔見せろよ!」(髪の毛を引っ張る)
「きゃはは!顔ぐっちゃぐちゃじゃん、キモ!!」
「やめなよ、可哀そうじゃーんw」
「何してんの?」
「ひっ…赤羽カルマ…」
「へったくそだなぁ…顔の持ち方っていうのは…
こうやんの」(ガッ
「ひ、ひいいいいいいいい!!!」
「あはは!逃げてやんの
で、そっちは大丈夫?」
『………』
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「その光景があまりにも異様過ぎて今でも覚えてる。カツアゲなんて何度も見てきたけど、被害者があそこまで怯えていないのは逆に恐怖だったかな
変な話だけど、もう既に経験してたんかなって」
「ッ…遊夢ちゃ『その話は議論しかねます。』
でも…」
『掘り下げないでくださいって言ってるんです!分かりませんか?』
「………ごめん」
「ところでさー渚君。あの先生タコとか言ったら怒るかな?」
「タコ…?んー…寧ろ逆かな。採点のイラストもタコだし、自作のゲームのキャラもタコだし、この間なんて校庭の砂場で穴掘って…
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「タコつぼ」
ーーー
っていうギャグやってたし…」
『まあまあうけてましたね…』
「とにかく多分先生のトレードマーク的なものじゃないかな…?」
「ふーん、そうだ、
下らねーこと考えた」
「カルマ君…また先生に仕掛けるの?」
「…
俺さ、嬉しいんだ。怪物とか聞いてたけど案外ちゃんとした先生で、ちゃんとした先生殺せるなんてさ。
この前の先生は…勝手に自分で
死ンジャッタカラ…」
「…?」
『それが…貴方が変わり果てた理由なんですね』
彼は何も言わずにっこり笑った