第5章 攻防の時間
まずい…いや、まずいのかどうかもわからないが…
まさかとなりの席が赤羽さんだったとは…
「あ、隣ひつじちゃんじゃん。ラッキー、よろしく」
旧校舎だから人数のずれは余裕であると思っていたが…なめていた…これじゃ”隣の席の山〇君”じゃなくて”隣の席の赤羽君”だよ
『…』
「なに?もしかしてさっきの見て怖気づいちゃった?」
『あの…挨拶はとりあえず今テスト中なんで…』
「あ、確かに、もう終わったから忘れてた。
けどダイジョブっしょ。せんせーがあの調子じゃ」
『?』
監督官の殺せんせーを見ると何やらさっきからずっと壁に拳(?)を当てている。軟体動物だからか反動でぶにょんぶにょん言うだけだった。
まさかさっきの根に持ってる…?
「ぶにょんぶにょんうるさいよ先生!!今小テスト中なんだから!」
「こっ、これは失礼!!」
ようやく静かになったと思えば隣からまた余計な声が
「よぉカルマ。あのバケモン怒らせてどーなっても知らねーぞー」
「またおうちにこもってた方が良いんじゃなーい」
だが煽りの天才はここで引き下がるほどやわじゃない
「…殺されかけたら怒るのは当り前じゃん、寺坂。しくじってちびっちゃった誰かの時と違ってさ」
「な、ちびってねーよ!! 」((ガタン
「こらそこ!! テスト中に大きな音立てない!!」
(自分の触手に言ってくれ!!!)
やはり先生はピリピリ状態
「ごめんごめん殺せんせー。俺もう終わったからさ、ジェラート食って静かにしてるわ」
「ダメですよ授業中にそんなもの。まったくどこで買って来て…
そっそれは…昨日先生がイタリア行って買ったやつ!!」
(お前のかよ!!!)
「あ、ごめーん、教員室で冷やしてあったからさ」
「ごめんじゃ済みません!! 溶けないように苦労して寒い成層圏を飛んで来たのに!!」
なんか異次元的な言葉がいるけどスルーした
「へー……で、どーすんの? 殴る?」
スリルなのだろうか…あの怪物相手にこんなギリギリの駆け引きをしているのだから。首をはねられる可能性なんて全然あったのに
「殴りません!! 残りを先生が舐めるだけです!!」
ブチュン
『!』
私でも気が付かなかった。床にはあのBB弾が
「アハハッ!また引っかかった!」
パンパンッ!